今日の読書感想文は織田作之助の「俗臭」です。
オダサクの第二作目だそうですね。
「夫婦善哉」を読んだときも思いましたが、織田作之助の文章はかなり読みやすいですね。
そこまでコテコテっともしていなくて、楽に読める感じ。ページ数も20Pくらいです。
短編だから手も出しやすいので読書にまだ慣れてないみたいな人にもおすすめですね。
課題でどーーーしても書かなきゃって時には「作品自体は短いけどネームバリューがあり読みやすい作家さん」としてお勧めです。
あ、でも作品自体は「夫婦善哉」の方が好きかなー?
・あらすじ
そこそこのお家だったはずなのに、自分が生まれてからお父さんが身代を食いつぶしてしまい、さぁお金を稼ぐぞ!みたいなお話です。
色んな商売に手を出しては早めの見切りをつけて次へ、次へと商売をかえていく主人公の権右衛門。
その見切りが成功かはわかりませんが、少なくとも目標金額は次々と突破してどんどんお金をためていきます。最初の一万円の目標が最終的には百万円も突破という感じなのでほんと凄いですよね。
最終的にはお嫁さんも貰い、家族の結婚式にもお金を出せるようになる、というような感じです。
(でもオチ?がよくわかってない私)
・わからなかった単語集
青楼
高貴な女性の住む家。もしくは、妓楼のこと。
この作品だと後者だと思います。
実は正確にはどこか知らなかったのでこの機会に調べることに。
戎橋(えびすばし)
大阪の道頓堀にかかっている橋。ナンパスポットとして有名だった時代もあるそうですが、オダサクの時代はどうだったんでしょうね?
ひっかけ橋なんて異名もあるのだとか。
沖仲仕(おきなかせ、おきなかし)
船から陸への荷揚げ荷卸しをする港の労働者の旧称。
追廻し
使い走り。メッセンジャーボーイ。
しもたや
漢字だと「仕舞屋」だそうです。商売をしていない家の事。
廻漕店
廻漕が船を使って運送すること、だからそれを商いをしている店…で、あってるはず。
仁寄せ
わからない!お灸絡みっぽいことは文中から読み取れるんですけど…なんだろう?
わかる方こっそり教えてくださーい!
体を急に冷やした時に起こる呼吸器系の疾患の総称。風邪。
看貫
品物の目方を量ること。
紋日
物日のこと。お祝いやお祭りが行われる日。
島根県安来市の民謡。どじょうおどり、というのが入っているそうです。
中国南部の都市。
玉突屋
玉突がビリヤードのことらしいので、ビリヤードができるお店…?
揮毫
毛筆で何か文章を書くこと。
・感想
主人公の持論が「人にぺこぺこ頭を下げてする職業よりも、自分の腕一つでできる商いで出世するのが男の道!」という感じで、時には「頑固だなこいつ」と思いましたが総じて貫き通すのはかっこいいと思いました。
現代では人にぺこぺこ頭を下げてなんぼの会社員が一般的ですからね。
とはいえ、その道の職人さんなんかだと師匠の腕を盗んで成長するのが仕事なわけで、そういった職業もまたロマンがあると思うんですけども。
主人公は色々持論がある男ですが、ケチな性分と見切りの良さが相まって商売はかなり成功した部類と言えます。
あと、お嫁さんの内助の功もかっこよかったなぁ。
結婚を申し込むときの芝居がかったセリフの応酬も、そういう男女の仲なのか、と思うと何となくぐっとくるものがありました。
・まとめ
一人の男性のお金儲けの視点から見た一生って感じですかね。ケチくさかったり、ちょっと危ない商売をしたりというのも人間臭くていい感じです。
青空文庫さんでも読めますので是非読んでみてください
今さらっと目を通して来たら四以降はちょっと本に載っていない部分でした。
あと青空文庫さんの方が読みやすいからちょっと意訳とかしてくれているんだろうか?
時間があるとき私もこちらを読んでみようと思います。
ではでは