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「風立ちぬ」堀辰雄【文アル好きの読書感想文】

今回読んだのは堀辰雄の「風立ちぬ」です。

 

文豪がドンパチするあのゲームに置いて最初に自分からできる文豪5人の中の1人ですね。

キャラクターの印象からすると

・線が細い

・どことなく女性的

・気弱そう

こんな感じでした。

以前Twitterでは「キャラクターの外見的特徴は結構文体とリンクしているので、見た目が好きなキャラクターの小説は読むと面白い」というのを見かけました。

 

私は線の細い美少年は特に好みではないのですが

初期文豪の一人、しかも図書館で借りられる!これは読むしかない、と思って借りてきました。

 

 

短いこよりに火を灯すような気持ちになる

 

読んでみた結果、印象は「日記」って感じですね。

小説なんですけど、そんな感じ。後半は日付なんかも書いてありましたしね。

病気の女性と、それに付き添う主人公と。

作中で主人公は小説を書き、ヒロインはゆるゆると弱っていく。

なんていうか…短いこよりに火をともして、それが尽きるまでを見ている、みたいなお話でした。

死を題材に扱った作品の中には「これでもか!これでもか!」ってくらい悲壮感を煽るものもありますが、このお話の中ではそういったものは感じませんでした。

ヒロインがかかった病気(言及はされていないけど、サナトリウムが舞台だし多分結核ですよね?)は当時の雰囲気からして不治の病、とされているものでしょうし。

そんないずれ確実に死が訪れるヒロインと主人公が寄り添ってる。

病気に侵されて、身の回りの世話をしてくれる人はいるけど基本的に二人きりで、そんな今こそが実は一番幸せなのだ、みたいな…。

同意はしかねますが「お互いの事しか見えない今の世界が一番幸せ」みたいなのはわかるような気もします。

メリバに近いような、でもメリバってもっと悲壮感でますし…。なんでしょうね、緩やかな終わりを約束された幸せって感じ。

読後感も「楽しかった!」「面白かった!」ではなく…「じんわり…」みたいな感じです。うまく表現できませんが。

そういった心理描写の合間に、本当にきれいな風景がありありと描かれている文章もあって、ゲームのキャラクター像ともマッチしましたね。

確かに、あのキャラなら「悲壮さや死という概念の押し売り」なんて絶対しないだろうな、みたいな。

それでいて、彼がもしこの物語を読み聞かせしてくれたら、しっとりじんわり、印象に残る感じで読んでくれるんだろう、という感じ。

 

堀辰雄は結局結核でなくなっています。

他の作品は知りませんが、小説の舞台は結核の療養ですんでいた軽井沢を舞台にしたものが多いらしく、そこの風景はとてもきれいだったんだろうな、と思います。

不治の病と言われる結核を患いながらも、結構長生きしたようなんですよね。

以前に調べたのはこんな感じ↓

堀辰雄という作家についてfuyushimayaya.wordpress.com

 

ほんと、じんわりとした読後感を与えてくれる素敵な作品だな、と思いました。

 

ところでジ○リでは飛行機でてた気がするんですけどあれはなんだったんでしょう?私の見た幻…???